携帯電話向けソフト開発の株式会社ソフィア・クレイドル(本社:京都市、代表取締役社長:杉山和徳、以下 ソフィア・クレイドル)は、 世界で初めて、BREW【※1】上に、XML【※2】文書構造を定義する DTD 【※3】と XMLSchema 【※4】をサポートし、DOM 【※5】だけでなく SAX 【※6】にも対応した、XMLパーサ【※7】 “pself”(ピーセルフ)を開発しました。ソフィア・クレイドルは、2006年3月15~16日、京都市にて開催される、「第 5 回ケータイ国際フォーラム展示会」にて、本ソフトウェア技術を応用した“携帯電話Web 2.0 【※8】 アプリ”を出展します。
[詳細]
2004年頃から、ブログやSNS、RSSなど、いわゆる Web 2.0 と呼ばれる、Web自体をアプリケーションのプラットフォームと見なしたソフトウェア技術やサービスがインターネットの世界で急速に広まっています。
Amazon 、Google、Yahoo! などの多くのサイトでは、 Web 2.0 に対応した各種 Web サービスを提供しています。Webサービスの大きな特徴は、情報がXMLという標準規格に則った形式で配信されるという点です。
現在、全ての Web サービスはパソコンをクライアント端末として利用されています。しかし、携帯電話上に XML を解析し、処理する汎用的な仕組みがあれば、携帯電話からもインターネットに公開されている膨大なXMLの情報を閲覧、加工、処理することも可能です。
このような背景から、ソフィア・クレイドルは、世界で初めて、BREW上に、XML文書構造を定義する DTD と XMLSchema をサポートし、DOM だけでなく SAX にも対応した、軽量で高機能な携帯電話向け XML パーサ “pself”をBREW上に実現しました。
本ソフトウェア技術は、SophiaFramework【※10】の文字列クラスやコレクションクラスと共に利用してC++言語でプログラミングすることで、コーディング量は3分の1以下と劇的に少なくなります。
また、業界標準である、米国マイクロソフト社のC++言語用の XML パーサの仕様(『Microsoft XML Core Services (MSXML) 4.0』)を参考にして実装されていますので、開発者は Web サービスを実現する BREW アプリをスムーズに開発できます。
ソフィア・クレイドルは、2006 年 3 月 15 ~ 16 日、京都市にて開催される、「第 5 回ケータイ国際フォーラム展示会」にて、本ソフトウェア技術を応用した、ソースコードを含む「携帯電話Web 2.0 サンプルアプリ」を出展します。
※「携帯電話Web 2.0 サンプルアプリ」の内容:Amazon Web サービスが提供する商品情報にアクセスする BREW アプリです。具体的には、書籍に付いているISBN バーコードを携帯電話内蔵カメラで自動認識し、Amazon.com の Webサーバーにその ISBN を送信し、返ってきたXML形式の商品情報を解析して表示するアプリです。Web サービスの基本的な処理を全て含む本アプリは、“pself”によってたった2週間で実現されました。
以上
■関連 URL :
本プレスリリースURL : (リンク »)
第5回ケータイ国際フォーラム URL : (リンク »)
Microsoft XML Core Services (MSXML) 4.0 のURL :
(リンク »)
■関連資料 : XMLパーサ“pself”の機能概要
1.XMLパーサへにアクセス方式:DOM( Level 2 )とSAX( Version 2 )
※ SAX のサポートはBREW 携帯電話では世界初
2.DTD の全機能に対応
※ DTD のサポートは携帯電話では世界初
3.対応しているXMLのノード形式:
Attribute, CDATASection, Comment, Document, DocumentFragment, DocumentType, Element, Entity, EntityReference, Notation, ProcessingInstruction, Text
4.対応しているXML Schemaの機能
1)複合型と単純型の定義(sequence, choice, all)
2)要素と属性の宣言
3)リストタイプ(list type)
4)ユニオンタイプ(union type)
5)匿名の型定義
6)単純型内容を持った複合型
7)混在内容
8)属性グループ定義
9)名前付きモデルグループ
10)要素(モデルグループ)の追加
11)抽象要素
12)代替要素
13)派生要素
※XML Schemaのサポートは携帯電話では世界初
5.解析対象のXML文章にサイズ制限はなく、携帯電話のメモリサイズの限界まで処理可能
6.DTD やXML Schema をサポートしているので、SOAP、WSDL、UDDIなどのWeb サービスにアクセスする機能が簡単に実装できる
7.XMLデータにDTDや外部実体、XML Schema文書などへの参照を正しく処理できる
■ 会社の説明
社名:株式会社ソフィア・クレイドル
代表者: 代表取締役社長 杉山和徳
設立日: 2002 年 2 月 22 日
所在地: 京都市左京区田中関田町 2 番地 7
資本金: 2645 万円
事業内容: モバイルインターネットに関する:
1.ソフトウェア基礎技術の研究開発
2.ソフトウェア製品の製造及び販売
3.システム企画及びインテグレーション
URL : (リンク »)
■本件に関するお問合せ先
株式会社ソフィア・クレイドル
マーケティングセンター 長谷川なつこ
Tel. 075-754-5155 Fax. 075-754-5156
このプレスリリースの付帯情報
“携帯電話向けWeb 2.0 アプリ” のユーザーインターフェース ~バーコードのISBN番号を読み取り、amazon.com の Web サービスから取得したデータを表示している様子~
用語解説
【※1】BREW
読み方:「ブリュー」または「ブルー」
2001 年 1 月に米国クアルコム社が発表した携帯電話向けソフトウェアの規格。「ブリュー」もしくは「ブルー」と読む。異なる携帯電話機の OS の仕様差を吸収し、単一のコンパイル後のプログラムをインターネットからダウンロードし、さまざまな携帯電話機でそのまま高速に動作できるように設計されている。日本では KDDI が 2003 年 2 月より BREW サービスを提供開始。 NTT ドコモの一部の機種でも BREW が採用されている。 2006 年 3 月現在、世界で 29 ヶ国 62 の通信キャリアが採用しており、世界的な規模でその普及が急速に進んでいる。
【※2】XML
読み方 : エックスエムエル
「タグ」と呼ばれる独自の文字列を文章に埋め込んで、その文章に構造や意味を持たせることができる言語。
【※3】DTD
読み方 : ディーティーディー
XML 文章において、文章構造を定義するための取り決めの一つ。文章構造を厳密に定義することによって、XML を解析する際の処理の正確性や安全性を高めることができる。
【※4】XMLSchema
読み方 : エックスエムエルスキーマ
XML 文章において、文章構造を定義するための取り決めの一つ。XMLSchema 自体がXMLによる記述される、データ型や名前空間の定義など、DTD には無い高度な機能を持つ。
【※5】DOM
読み方 : ドム
HTML 文章や XML 文章の内容、段落などの構造、スタイルなどをオブジェクトとして扱い、プログラミング言語から制御するための取り決め。DOM を用いることで、プログラム上から XML 文章を構築したり、要素や内容の取得、追加、修正、削除が簡単に行える。
【※6】SAX
読み方 : サックス
XML を解析するために使用する標準APIの1つ。DOM と並んでXML解析の手順(API)として業界標準となっている。XML 文書全体を一つの木構造に変換する DOM と異なる点は、文章を先頭から一行ずつ読み取って処理するので、大きな XML 文章でも小さなメモリで解析できる。
【※7】XMLパーサ
読み方 : エックスエムエルパーサ
プログラミングしやすい形に XML 文書を変換するソフトウェア。 XML 文書が文法に従って作成されているかも検証する。
【※8】Web 2.0
読み方 : ウェブニーテンゼロ
BLOG や SNS、RSS など、Web 自体をアプリケーションのプラットフォームとする見方の、次世代のWeb技術やWeb サイトサービスの総称。
【※9】Web サービス
読み方 : ウェブサービス
HTTP などのインターネット関連技術を応用して、XML 形式のメッセージを送受信することでプログラムに情報の提供を行う技術、サービス。Amazon や Google などのサイトでは、自社内サービスにプログラムからアクセスする手段 ( Web API と呼ばれる) を提供している。
【※10】SophiaFramework
読み方:ソフィア・フレームワーク
ソフィア・クレイドルが 2002 年 8 月に発表した、BREWアプリを C++ プログラミングで開発することを世界で初めて実現した唯一の BREW 向け C++ オブジェクト指向開発環境。ユーザーインターフェース、通信、グラフィック描画、文字列処理など、ビジネス、コンテンツ、ゲームなどジャンルを問わず、あらゆる BREW アプリを開発するのに必要十分な“クラス”と呼ばれるプログラムモジュール群がラインナップされている。すでに KDDI 公式 EZ アプリ( BREW ) や ビジネス系 BREW アプリで多数の導入実績がある。
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